コミュニティサイト「イー・ウーマン」のアンケートによると、「生命保険の受取人をパートナー以外にしたい。」という人は37%に上るそうだ。未婚者も含まれているので、パートナー(ここではほぼ=配偶者ととらえていいと思う)がいない人も含めた数字であるが。パートナー以外とは一体、誰?かというと、子供、自分の親、兄弟姉妹など。伯母(子供の頃お世話になったから)という人もいた。何人かにシェア(例えば夫と子供、自分の親と夫など)するという人もいるようだ。

【サーベイテーマ】自分の生命保険、受取人をパートナー以外にしたい?
http://www.ewoman.co.jp/survey.html?c=016650003&a0.x=7&a0.y=3

昼休み、この結果について、スタッフで話が盛り上がった。
「独身で親のために保険かけてる人って、わからない。だって、確率的には、ほとんどが先に亡くなるなるわけでしょう?必要あるのかなあ?」「いや、先立つ不幸とかあるじゃない。老後を迎える親に、せめてお金でも残してあげたいという気持ちはわかるよ。育ててもらったお礼というか?」

にはじまる喧々諤々の家族論議を経て、話は広がった。「ひとついえることは、生命保険を、妻あるいは夫や、子供といった家計を同じくする世帯メンバーのため、つまり扶養責任や家族の面倒を見るということが果たせなくなった時のためというリスクコントロール視点でなくて、家計は別であっても経済的に困りそうな人や、お世話になった人、自分にとって気がかりな人に残したいという人も意外と多いということだよね。これって、なんか、明るくない?」

自分の意思でお金を役立てて欲しい人を選びたいという気持ち。これを敷衍していけば、(税制などの問題はあるかもしれないけど)、同じ活動に取り組む仲間に意志をついでもらためとか、社会的価値のある行動をしている第三者のためとか、ハンディをもって生きていく人の支援のために残す生命保険をかけてもいいという人はいるのだろうか?

そんなことを話していると、「そういえば、大前研一さんが、リニア新幹線を国民の夢にしてはどうかという寄稿をしていたよね。」という話になった。大前氏は、「いまの日本には夢がない。リニア新幹線の実現を国民の夢としていってはどうか?」と提案している。「世界一」のものを作るプロジェクトで、東京オリンピックや大阪万博のような国民的高揚をもう一度とりもどそうというわけである。

さらに、5兆円に上る資金調達の方法について、すばらしい提案がされている。それは、「高齢者 が自分の死後に財産を寄付するファンド」というもの。死んだ後になら、自分の財産を日本のために使ってほしいという高齢者は、少なくないはず。いま日本には 1550兆円の個人金融資産があるが、その大半が使われないまま残されている。その一部を、死後には「日本が再び世界一になるためのファンドに寄付する」 と約束してくれた人の財産を足し算すれば、ファンドにたまる予定額が分かるから、それを前提にすれば銀行で低利融資を受けるなどできるはずだ、というものだ。

くわしくはこちらを。
SAFWTY JAPANコラム「第127回:わたしがリニア新幹線を支持する理由 (2008/05/07)」
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/a/130/

各論ではいろいろ課題はありそうだが、大変クリエイティブなアイデアだと思う。「個人の力を、夢の再構築のために使う。死後に自分のお金の一部がそういう夢の実現に使われる」というのは、幸せなお金の使い方ではないだろうか。

話は戻るが、生命保険にも、単なるリスクコントロールだけでなく、こういう夢につながる要素をもった商品があったらいいと思う。人が死後にも、自分の意志を「お金」という形で共鳴したプロジェクトの実現に生かすことができるとしたら・・・。自分の保険金が自分の意志として役立っていくという、そのことにより、死ぬまでの人生を、夢に参加しながら、もう少し豊かな気持ちで生きることができるのではないか・・・。

現状では、生命保険では第三者を受取人にすることは不可能らしい。保険金詐欺などにもつながるからというリスクが主な理由らしい。でも、知恵を絞って、そういう要素を持ったクリエイティブな保険の商品企画はできないものだろうか?税制とか規制とかモラルモリスクとか、いろいろあるだろうとは思う。また、それは保険の役割ではなく、業界の方からすれば、突飛な話なのかもしれないが、保険会社のイメージアップにもつながると思うのだが・・・。そんな保険が、もしもあったら、みなさんはどうですか?