「ライフネット生命」が、ついに5月18日(日)、営業を開始した。日曜の8時にサイトオープンというのも、お客様志向のひとつのあらわれなのかな?まずは、おめでとうございます!

ネット専業生保としては、4月7日に開業したSBIアクサ生命保険に次いで2社目だが、既存のどの保険会社とも資本関係のない独立系ベンチャー保険会社であることや、多額の出資を集める源泉となった出口社長の強い理念とこだわりに対して、注目度はかなり高かったようだ。私たちも、いったいどんなかたちが提示されるのだろうと想像しながら、楽しみに待っていた。

「わかりやすく」
「安く」
「手軽で便利に」

サイトを見て、見積りなどのツールもためしてみたが、マニフェストで宣言されているこれらテーマは、かなり実現されていると感じた。中でも、「安く」に関しては、例えば大手生保と比べると、定期死亡保険の保険料は約半額を実現している。

これに関連して思ったことがふたつある。

●ひとつは、保険料に対する生活者の反応について

一般に生命保険の保険料は、
・契約者に支払われる保険金や満期返戻金などに充当される純保険料
・保険会社の運営経費や代理店手数料、広告費等の販売経費などの付加保険料
で構成され、商品にもよるが、後者のいわゆる経費部分が平均50%程度を占めると言われている。

ライフネット生命の保険料は、ネット専業にして徹底的に経費を抑えることにより、付加保険料がほぼ極限まで圧縮された数字と見ていいと思える。保険の見直しニーズが高まっているいま、こういう構造が分かってくれば、保険料に対する生活者の視点が厳しくなってくるはず。結果、ネット専業保険会社の利用者は増えるのだろうか?それとも、やはり大きな会社の方が安心で、割高な保険料は安心材料のための必要経費と考える生活者も多いだろうか?その動向を見守りたい。

●ふたつめは、「考え方」の大切さについて。

ライフネット生命は、マニフェストにこう書いている。
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保障金額を、過剰に高く設定しない。適正な金額とする。したがって、毎月の保険料そのものが割安となる。

私たちのシミュレーションモデルは、残された家族が働く前提で作られている。「すべてのひとは、働くことが自然である」と考えるから。そのために、いざという場合の保険金額も、従来の水準よりも低く設定されている。

マニフェスト「第3章 生命保険料を、安くする」より。
http://www.lifenet-seimei.co.jp/profile/manifesto/index.html
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私は、経費の削減よりも、むしろこちらの方に感銘を受けた。保険を売る会社が、これを言うのは、結構すごいことではないか。以前から、生命保険の保障額の設定は高すぎるのではないかと疑問を感じていた。「保険金で、今のままの生活レベルを保つ(しかも子供が大学を出るまで)」 というに近い前提で、必要保障額の説明をしているのをきいて、違和感を感じたこともあった。しかし、この一文で、それは前提となる考え方の問題なのだということ を、あらためて認識させられて、もやもやが取れた感じがした。

たとえは悪いかもしれないが、大黒柱が生きていて健康だったとしても、まじめにコツコツ働いていたとしても、今の時代、リストラされ仕事を失うリスクもある。そんな時には妻も働くのは家族としての当然の姿だと思う。生きることのリスクも多い時代だ。
不幸にして大黒柱が亡くなった時、もし保険金がなかったとしても、自分たちの力で生活していけるくらいの力をつけておく、というのがまずは基本ではないのだろうか?その上で、「子供が小さくてしばらくは働けない」「ブランクがあるので働くための準備期間が必要」「雇用環境が厳しい」などということもあるだろうから、そこを補う程度の備えとして、生命保険をかけておけばいいのではないかと思う。
そのことを、お金の計算や事例としてだけでなく、「すべてのひとは、働くことが自然である」という考え方としてスパッと提示したことはすばらしいと思った。共感した。そして、個別論で言えばいろいろ事情もあるかもしれないし、反論もあるかも知らないが。それでもあえて、原則論としての考え方をシンプルに明示することの意味の大きさをあらためて感じた。

ライフネット生命のコンテンツは、製作会社にまかせきったのではなく、一言にまでポリシーを反映させようと社員たちが徹底して試行錯誤してつくりあげたというプロセスが感じられる。その中で、「わかりやすさ」に対する最大限の努力が感じられるし、デザインもすっきり見やすい。ユーザビリティも、とてもいい。ネットで売るのだから、当たり前かもしれないが、従来の保険会社のサイトとは大違いである。
でも、それでも、「わからない」「これでいいか判断できない」という人は多いのではないかと思う。結局、「各論」のわかりやすさには限界がある。それよりも、各保険会社が、それぞれどういう考え方に立ってこの保険を設計したかという考え方を明示してくれた方が、比較しやすく、分かりやすいのかもしれないと感じた。

どの保険商品の考え方に一番納得できるか?もし、そんな選び方ができる材料が各保険会社から提示されたら、選ぶ側のひとりひとりが生きる考え方を明確化することにもつながるのではないか?出口社長は「保険の原点に戻る」と言われていたが、私たちも、「生きることの原点にかえって」考えてみるべきかもしれない。ライフプランを立てるということは、お金の話の前に、そういうことではないだろうか?

ライフネット生命のサイト
SBIアクサ生命のサイト

また、これを書くにあたり、下記コラムを参考にさせていただきました。
特に2は、詳しい比較などもなされており、ネット専業保険会社で、生命保険に入ってみようかなと思っていらっしゃる方の参考になると思います。

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