保険について尋ねると、「わかりにくい」「もっと分かりやすくして欲しい」という声が今も多い。
これに対して、いろいろな取り組みが始まっているが、保険はわかりやすくなるのだろうか?

最近、大手損保各社から「自動車保険が変わる」という発表が相次いでなされているのを目にした方は多いと思う。全体的な傾向としては、複雑な特約を見直し、保険内容をシンプルにするという動きのようだ。協会のガイドライン等も作成され、契約書類のわかりやすさも改善されつつある。

生命保険会社では、契約内容を記載した「約款」をわかりやすくする取り組みが広がっている。不払い問題において、「請求があれば支払われたのに、請求されなかったために支払われなかった保険金」が多かったという事実に対し、「顧客に契約内容の理解を徹底できていれば漏れは防げたはず」という反省を受けたもので、具体的には、下記のような取り組みである。

・約款の文字やサイズを大きくする
・イラストや図を入れ読みやすくする
・ホームページに用語などの解説コーナーを設ける
・約款をネット化し、いつでも見れるようにする
・約款を契約者個別にオーダーメイド化する
・主契約や特約のチェック表をつくる
・契約の「読み方」の説明書をつくる
・保険金を支払う場合、 支払わない場合の具体的事例集をつくる

かたちのない保険という商品において、約款はいわば商品そのもの。いまさら、こんなレベルのこと?という感じもしなくはないが、そもそも約款など見たこともなかったという人が多かった現実のもとでは、見られるものにするための取り組みは最低限必要だし、歓迎すべきことかもしれない。

しかし、上記のような改善がなされることで、
保険は生活者にとって「わかる」ものになるのだろうか・・・

といえば、それはまた別問題のような気もする。

・自分にとってどの程度の保険が必要か?がわからない。
・具体的商品の選び方がわからない。
・保険商品をどのように比較すればいいのかわからない。
・その保険商品(会社)を信頼していいのかどうか、わからない。
・保険アドバイザーの提案内容が、本当に適切なのかどうかわからない。
・保険金が本当に支払われるのかわからない

これらを解決するのは、そう簡単ではない。これらの「わからない」は、「説明がわかりにくい」という理解の問題ではなく、「決定できない」「判断できない」というディシジョンの問題を含むことが多いからだ。

では、保険をわかろうとする生活者がとれる方法は?

自分で調べ、基礎知識を深める。
1.書籍やネット上の情報サイで基礎知識を得る。
2.クチコミサイトやQ&Aサイトで他の生活者の声を聞いてみる。
3.セミナーなどに参加する。
4.ネット生保の見積もりシミュレーションをしてみる
  (保険契約をしなくてもいろいろ条件を変えてみると基礎理解にも役立つ。)

商品の選択においては、
1.商品比較サイトで、いろいろ比較してみる。
2.保険代理店、保険ショップ、FP事務所など手間を惜しまず、いろいろなところで相談してみて、自分にフィットする相談先を探す。
3.信頼できるアドバイザーを探す

見直しを前提とする。
自分の人生を見通すことは難しいし、計画通りにはいかない。状況に応じて、保険も都度見直していくという前提で商品を選択する。

最近では、自分で基礎知識をもったうえで専門家に相談し、その提案提案についても鵜呑みにせずネットのクチコミサイト等でさらに意見を聞いている人も目立つ。
保険ショップへの相談でも、複数ショップでの提案を比較するだけでなく、同じチェーン系列であっても違う支店にも行ってみる人も出てきているという。担当が替われば提案が変わるから、ということらしい。

生活者が主体になれる環境をもっと活用しよう・・・
保険会社の情報提供が分かりやすくなったり、ネットでもさまざまなサービスが提供されたり、保険ショップなどそれぞれに特徴をもった新しい相談場所がいくつも出てきている。つまり、生活者が主体的に保険を選択できる環境は前よりも整ってきているということだ。相談したらしつこい勧誘があるのでは?という不安も根強いが、その状況も変わりつつある。いつまでもそんなことをしていたら生き残っていけないからだ。それに、生活者側にも、不要であればきっぱり断る強さも必要だろう。そろそろ、「分かりやすくして欲しい」という受身だけではなく、それらをうまく使いこなすことを考えていく時がきているのかもしれない。