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ネット専業生保2社が相次いで開業。
4月7日に「SBIアクサ生命保険」、5月18日に「ライフネット生命」と、ふたつのネット生保会社が営業を開始しました。
ネット生保とは、ネット専業証券会社やネット専業銀行と同じように、ネットで完結できるタイプの生命保険会社です。これまで、保険会社の商品を比較できるサイトはありましたが、契約まで可能なものはありませんでした。
生命保険会社は、大きい保険会社になると何万人ものセールスレディや営業職員をかかえており、その人件費は膨大です。また、保険代理店に委託して保険を販売する場合にも、商品によっても違いますが、生保では保険料の40~60%もの代理店手数料が支払われていると言われています。もちろん、これらの販売経費も私たちが支払う保険料の中に含まれています。
ネット専業生保はそんな売り方を変える新しいタイプの保険会社です。契約までをネットで完結させて営業人件費や代理店手数料、さらには広告費等を押さえることにより、より低価格で生命保険や医療保険を提供します。また、サイトには、保険の選びのための情報や、自分の保険を、納得行くまで自分のペースで設計することができる保険料シミュレーションなどのツールも用意されており、それぞれの保険選びを支援します。
アパレル業界発の言葉に「SPA(Speciality store retailer of Private label Apparel:製造小売業・自分たちで製品をつくって販売も行う、例えばユニクロや無印良品のようなブランド)」というものがありますが、ネット生保はいわば保険のSPAのようなスタイルといえるかもしれません。
■SBIアクサ生命保険
総合金融グループのSBIホールディングス(HD)と仏大手生保アクサが合弁で設立し、4月7日、ネット生保第1号としてサービスを開始した。商品は死亡保障の生命保険と入院保障の医療保険の2種類だけとシンプル。特約も各2つだけのシンプルな内容になっている。
クレジットカードで本人確認を行うことで完全にネット完結のシステムを実現している。また、保険を申し込むと、翌営業日までには契約引受の可否を回答し、契約すると申込日にさかのぼって保障がスタートするという超スピード対応を実現していることも特徴。同社サイトでは、「3つの業界初」として、以下をあげている。
- 告知だけで上限4000万円まで加入OK
- 健康であれば割安で定期保険が更新できる「健康チャレンジ」
- 契約だけでなく、解約もネットで完結
●商品
生命保険「カチッと定期」
- 10年の定期保険。70歳まで更新可能。割安な保険料で更新できる健康チャレンジあり。
- 災害高度障害特約、余命6ヶ月と判断されたときに保険金が受け取れるリビングニーズ特約(無料で追加)も用意されている。
- インターネットでの申込みだけで入院1日につき20,000円までの高額保障が可能(医師の診査は不要)。
- 入院一時金、ガンのトータルサポートの2つの特約も用意されている。
●機能、コンテンツ
- 見積もりツールは、スタンダード、シンプル、エコノミーの3つのおすすめが提示され、それを見ながら自由設計もできる。予算から試算できるのも便利。
- 「必要保障額シミュレーション」は、根拠(例えば公的保障でここまでは大丈夫など)も説明されていて、大変参考になってわかりやすい。
■ライフネット生命
日本生命出身の出口社長が、「全く新しい生保を立ち上げる」ために設立。既存の保険会社からは出資を仰がず、特定の大株主も置かないという「独立性」にこだわりながらも、その強い理念への共鳴により商社や銀行などから132億円余りの資本金を集めたと言われている。「既存生保と闘うベンチャー生保」というストーリーでマスコミなどで報道もされ、開業前から注目を浴びていた。理念の明確な会社であることがひとつの特徴といえそうだ。
ライフネット生命のホームページ
●マニフェスト
ホームページには、「共助の仕組みを、もう一度ゼロから積み上げ、新しくよみがえらせたい」これが、ライフネット生命を立ち上げた動機のすべてです。」と書かれている。それを具体化する指針として以下の5点を柱とするマニフェストが掲げられている。
- 生命保険を原点に戻す。
- 生命保険を、わかりやすく、価格を適正にする。
- 生命保険の支払いを、誠実・確実・迅速にする。
- お客さまから、すべてが見える、生命保険会社にする。
- 社会から得たものを社会に返せる、生命保険会社にする。
●商品
ライフネット生命の場合、見積や申込、健康告知はサイトから行うが、本人確認書類に関しては、運転免許証などのコピーを郵送する方法を採用しているため、厳密にはネットで完結とはいえない。また、ネット上の告知で契約できる保険には年齢によって上限があり例えば30歳男性の場合、3000万円を超える死亡保険を申し込むには健康診断書等が必要となる。
- 配当や解約金をなくし商品内容を極力シンプルにし、保険料を安く。年代により保険期間は10年、20年、30年。
- 子どもが成人するまでなど一定期間に限定して保障することで、終身型よりも保険料を割安にしている。
- 医療保険は健康な若いうちに契約して一生の保障を得ておくのがよいという考え方で、終身保険(加入した年齢の保険料で一生涯同額)のみ。
- 特約などはなく、シンプルでわかりやすい商品になっている。
●機能、コンテンツ
サイトは、シンプルで、「とにかくわかりやすくしたい」という思いでつくっていることが感じられる。
- 見積もりツールは、条件を変えると、その場で保険料が変わっていくなどわかりやすい。
- 自分にはいくら必要かのシミュレーションツールでは、「将来もっと質素に暮らす」などの条件を加えると、必要な保険料が下がる、などの機能もついていて参考になる。
- 「払いすぎ見直しシミュレーション」では、現在の保険からどれくらい安くなるかも試算できる。
- 「知らなきゃ損の保険の仕組み」などの情報コンテンツもわかりやすく丁寧に作られている。
■実際に見積もりをしてみたら・・・
ネット生保のサイトで保険料を試算してみると若い年代での割安感が高く、対象を20代、30代中心にに絞って商品設計されていると思われる。これらの年代で見れば共済の保険とも比較できるレベルの安さではないだろうか?
見積システムやシミュレーションツールは一見の価値あり。営業経費を省いてネットで売るというだけあって、これらのツールにはコストをかけて、ていねいに使いやすいものにしている。ユーザビリティもいいし、付帯情報も参考になる。
年齢や家族状況、将来の生活レベルなどを変えていくと必要な保険金額も変わっていくので、いろいろ数や条件を変えてシミュレーションしてみるとなんとなく保険の組み立てもわかってくる。そこには、人生の縮図があるような気がして面白くもあり、同時に考えさせられたりもする。ネットで保険に入るつもりのない方も、活用してみる価値は十分にあると思う。
[参考情報]
1.生保は金融ネットビジネスの「最後で最大のフロンティア」
2.【業界最安値】ネットで入れる生保2社が誕生! どれだけ得?どう違う?比較検証
3.ウェブ専業のライフネット生命保険、5月18日より営業開始–20~30代をターゲットに
4.営業員ゼロ、ネット生保始動 品数を絞り、料金・利便性で勝負
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ライフネット生命開業で、「原点」の大切さを感じた。